生前対策のコツは
生前対策とは、生前の間に相続人となる者に財産を贈与して相続税の負担を軽減する等、残されたご家族を安心させるため、そしてご自身のより良い老後生活のために生前の間に対策を講じることを言います。 生前対策を行うことで、ご自身の財産の行く末を明確に示すことが可能となるだけでなく、相続人同士の相続トラブルを回避することができ、スムーズな遺産継承が実現します。
平均寿命が大きく伸び、100歳を超える方も珍しくはなくなってきた昨今ですが、ゆえに現代特有の悩みも増えてきているのが現実です。
- 自分の資産を守るため自分の意思で相続人を決めたい
- 家族の相続トラブルを未然に防ぎたい
- 遺言書を作成したい 等
安心した老後生活を送るためにも、また残された家族に安心してもらうためにもご自身がお元気なうちから対策をすることが重要です。
例えば今後、認知症等になってしまい、判断能力が乏しいと判断されると法律行為である贈与等はできなくなります。また、被相続人が亡くなってから遡って3年以内に相続等で財産を取得した人の贈与分は相続税の課税対象となってしまいますので、暦年贈与など、生前贈与をお考えの場合は早めに始める必要があります。
生前対策には、5年以上の時間をかける必要があるといわれています。そのため寿命から逆算して65歳ごろから生前対策を含めた終活を進めるという方が多いようです。ご自身が健康なうちに、ご自身の財産の財産管理・処分について、また相続が発生した際のご希望、更に相続トラブルを起こさないためにできること、といったことをこの期間に決めておきます。
生前対策として挙げられるもの
民事信託
契約者(委託者)の財産を信頼のおける家族等で管理する制度です。各ご家庭の事情によって柔軟な契約が可能となる比較的新しい制度です。民事信託は非常に自由度が高く、財産管理対策としても遺産分割対策としても使える優れものです。
生前贈与
相続税対策として、生前に財産の所有権を受け渡す制度です。贈与税が発生しますが、控除などを活用することで贈与税がかかることなく財産を引き継ぐことができ、結果、相続税の節税へとつながります。
- 暦年贈与:一般贈与とも呼ばれ、一暦年(1月~12月の1年間)に受贈者が贈与を受けた財産の110万円を超える部分について累進課税により贈与税が課されます。
- 相続時精算課税:一定の要件がありますが、贈与者1人につき2500万円までは贈与税がかからず2500万円を超える部分について一律20%の税率で課税されるものです。
対象の人物に対し、いったん相続時精算課税を選択してしまうと暦年贈与へは戻れません。 - 教育資金の一括贈与、結婚子育て資金の一括贈与:一定の要件がありますが、子や孫に対し、教育資金1500万円、結婚子育て資金1000万円まで非課税となります。
遺言
遺産分割対策として、財産を誰に渡すかについて作成者の意思を示した書類です。方式を間違えると無効になることがあります。
成年後見制度
認知症など、判断能力の衰えた方に代わって後見人が財産を守る制度です。
成年後見制度は、認知症の発症後にできる唯一の財産管理対策です。
他にも生命保険の対策などが挙げられます。それぞれにメリットデメリットがありますので、生前対策に強い専門家にご相談し、これらの中からご自身に最適なものを選びましょう。
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